平成柳多留第1集

目 次

序文 仲川たけし
誌上大会参加作品
誌上大会 入選句
年度賞作品
参加者名簿
あとがき

平成柳多留第1集
社団法人 全日本川柳協会・編
平成 6年 4月15日発行
A5判 96頁
印刷所 亜細亜印刷株式会社
1,000円

題と選者

府県名選者名府県名選者名
「 火 」岡 山大森風来子北海道斎藤 大雄
「 水 」愛 知加藤 翠谷兵 庫小松原爽介
「 木 」新 潟大野 風柳大 阪森中惠美子
「 金 」大 阪橘高 薫風兵 庫時実 新子
「 土 」岡 山寺尾 俊平東 京野谷 竹路

入選句

題 「 火 」  大森風来子 選
特 選火はおんなおとこは終生火を守る三 重寺前みつる
準特選火の言葉くれた人とは夢で逢う愛 媛忽那 道子
準特選風に火をつける女の片えくぼ長 野柳橋スミヱ
題 「 火 」  斎藤 大雄 選
特 選吹けば直ぐ燃える火種を抱いて冬岡 山小野真備雄
準特選火の海を泳いだ乳房弥陀が棲む大 分野田 清博
準特選神様も焚き火にあたる秋祭り岡 山神原日出夫
題 「 水 」  加藤 翠谷 選
特 選水まくら母に甘えを許される岡 山中原ねえね
準特選逃げ水を追う少年の澄んだ飢え長 野勝野みちお
準特選臍の緒につながっている水の音愛 知山本 桜子
題 「 水 」  小松原爽介 選
特 選水際で放つ科白は決めてある福 岡藤田きよし
準特選相剋のやがてはじまる朝の水兵 庫井上 良子
準特選口うつしの水でさよなら出来るなら京 都奥山 晴生
題 「 木 」  大野 風柳 選
特 選木の泣いた分だけきっと泣かされる高 知滝本 星城
準特選おとぎ話しよう大樹の陰へゆく大 阪鍋島 十歩
準特選鉛筆になっていよいよ木の匂い大 阪酒井 一壺
題 「 木 」  森中惠美子 選
特 選木の泣いた分だけきっと泣かされる高 知滝本 星城
準特選木を伐って人が興じている刹那長 崎勝盛 青章
準特選どの木だってまいにち手紙書いている鳥 取八木 千代
題 「 金 」  橘高 薫風 選
特 選金婚の語らいそれは童話かも山 梨井上 静詩
準特選金の色混ぜて人間狂い候和歌山北山 紀世
準特選給料日夫の首も振り込まれ神奈川石井 正俊
題 「 金 」  時実 新子 選
特 選盃に黄金の象遊ばせる東 京近江あきら
準特選目出し帽金のありかを知っている京 都大城戸悠水
準特選烏金で私の首を買い戻す福 岡鶴田タツヲ
題 「 土 」  寺尾 俊平 選
特 選愛が戻ると土はふっくら種を抱く福 岡徳永百合子
準特選軽音楽ひびく耕すときの土鳥 取八木 千代
準特選ほんとうの土がわかる娘嫁に来る青 森坂本 雨山
題 「 土 」  野谷 竹路 選
特 選土掘って掘って耶馬台国に着く愛 知山本 桜子
準特選土の香が好きで貧しい村に住む三 重村林弥兵衛
準特選土しかと踏む青空を見るために三 重奥野 誠二