開 催:平成 8年10月27日(日)
最優秀句「泣き虫もきっとサーカス待っている」東京都 佐藤 美枝子
(選句について)
当日参加の一部および郵送投句による二部の全作品の中から特撰句として選ばれたものより、更に両部の選者によって最終的に選ばれたものです。
なおこの句は太田市「文学のさんぽ道」に句碑として建立されています。
大会功労賞「人を恋ふ人があつまる冬の酒」東京都 渡邊 蓮夫
「太平記の里」全国川柳大会を開催するに当たりご尽力を戴いた渡邊蓮夫氏の功労を讃えて太田市「文学のさんぽ道」に句碑を建立しました。
特撰句
題 | 選 者 | 特 撰 句 | 府県名 | 雅 号 |
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卓越 | 仲川たけし | 卓越を陛下に賜る秋日和 | 栃 木 | 中島都登夢 |
日本の誇り叙勲に菊映える | 東 京 | 田島 世四 | ||
威嚇 | 山田 良行 | 嚇かしではないと哀しい置手紙 | 埼 玉 | 市川つとむ |
死にますの涙に負けた腐れ縁 | 栃 木 | 鶴貝 虎魚 | ||
偏見 | 渡邊 蓮夫 | 偏見のない懐に鳩を飼う | 長 野 | 佐藤 曙光 |
我が里はかかあ天下のままでよし | 栃 木 | 飯島 傘六 | ||
一段落 | 西村 在我 | 賢母から女へ戻る子の巣立ち | 栃 木 | 小林やすこ |
一仕事終えて気がつく肩の凝り | 栃 木 | 福田一二三 | ||
切符 | 山崎 凉史 | 青雲の切符終着駅決めず | 埼 玉 | 丸山しげる |
途中下車楽しい当てのある切符 | 埼 玉 | 田中 白牧 | ||
暖簾 | 川俣 喜猿 | 人間に逢いたくて寄る縄のれん | 群 馬 | 横尾 東川 |
人の世を暖簾は見ている知っている | 栃 木 | 月井 昇一 | ||
支える | 竹本瓢太郎 | 若者の肩の荷重い高齢化 | 埼 玉 | 青鹿 一秋 |
エリートの孤独支える自尊心 | 東 京 | 小金沢綏子 | ||
整える | 荻原 柳絮 | 夕焼けの空明日の自分を整える | 栃 木 | 三上 博史 |
終の地と決め自画像を整える | 埼 玉 | 須田 尚美 | ||
奇人 | 清水 惣七 | 夫では無いから好きな山頭火 | 東 京 | 齊藤由紀子 |
奇人にもまともな妻が居て平和 | 群 馬 | 小林 茜坊 | ||
スリル | 錦 俊坊 | 花の首コトリ真昼の無風帯 | 三 重 | 竹岡 訓恵 |
鍵穴をのぞくと見える点と線 | 栃 木 | 湯本としお | ||
スリル | 菅原 一宇 | 中古車で若葉マークが遠出する | 群 馬 | 小野ときを |
死神といのち引張り合う輸血 | 福 島 | 笠原 高二 | ||
スリル | 関 水華 | 一輸車日本を狭く子が走り | 群 馬 | 赤松 一歩 |
底辺が縮む人口ピラミッド | 東 京 | 播本 充子 | ||
スリル | 大野 風柳 | 一本の日傘が抱いているスリル | 茨 城 | 加藤 権悟 |
泣き虫もきっとサーカス待っている | 東 京 | 佐藤美枝子 | ||
スリル | 加藤 翠谷 | 神の掌に抱かれて立った発射台 | 徳 島 | 吉田 正信 |
スリルにはうとい農婦の太い指 | 鳥 取 | 松本 舎人 | ||
スリル | 橘高 薫風 | 泣き虫もきっとサーカス待っている | 東 京 | 佐藤美枝子 |
人生という名のジェット・コースター | 青 森 | 高瀬 霜石 | ||
スリル | 礒野いさむ | 任侠にスリル世のため人のため | 神奈川 | 小林 梅杏 |
ニアミスがあったと降りて知る成田 | 茨 城 | 太田紀伊子 | ||
スリル | 山本 翠公 | 究極のスリルで稼ぐ遊園地 | 栃 木 | 横地 耕児 |
一度だけ一度位にあるスリル | 栃 木 | 川俣 秀夫 | ||
スリル | 小松原爽介 | 拒絶するスリル葡萄に種が無い | 三 重 | 藤本 尚士 |
過去形になるとスリルも笑い合い | 岩 手 | 八田 稲峰 | ||
スリル | 吉岡 龍城 | 過去形になるとスリルも笑い合い | 岩 手 | 八田 稲峰 |
スリルでは済まぬハンドル握る職 | 埼 玉 | 小泉 國男 |