第4回「太平記の里」全国川柳大会

開 催:平成 6年10月30日(日)

最優秀句「満点にされて天寿を燃え尽きる」栃木県 金子 花泉

(選句について)
当日参加の一部および郵送投句による二部の全作品の中から特撰句として選ばれたものより、更に両部の選者によって最終的に選ばれたものです。
なおこの句は太田市「文学のさんぽ道」に句碑として建立されています。

大会功労賞「泣き虫に土蔵の壁が温かい」千葉県 西村 在我

「太平記の里」全国川柳大会を開催するに当たり御尽力を頂いた西村在我氏の功労を讃えて太田市「文学のさんぽ道」に句碑を建立しました。

特撰句

選 者特 撰 句府県名雅 号
仲川たけし大仕事やって地球へ着けた足東 京田島 世四
踏み絵また一つ踏みます炎える足長 野野本 清魚
太鼓山田 良行無法松男は泣かぬ乱れ打ち埼 玉戸丸 瓦郎
触太鼓いま横町へ折れた音群 馬小林 茜坊
渡邊 蓮夫血のかよう金が集まる募金箱東 京齊藤由紀子
子に貸せば戻らぬ金と知りながら埼 玉米村小夜子
音頭西村 在我この町も音頭が出来て踊らされ群 馬町田 待子
湯の町に音頭があった箸袋栃 木高梨 宗路
弾む山崎 凉史もう前にライバルの無い軽い靴東 京齊藤由紀子
フリー切符わたしの靴に羽が生え埼 玉てじま晩秋
ポケット川俣 喜猿ポケットがも一つ欲しい宇宙服栃 木刑部 鬼子
物入れと呼んでた頃の青春譜群 馬黒田 正吉
燃える竹本瓢太郎満点にされて天寿を燃え尽きる栃 木金子 花泉
最後まで燃えた柩が軽過ぎる長 野佐藤 曙光
もういちど荻原 柳絮もういちどじっくり母の子守唄群 馬茂木 恭子
一軍に戻るバットを夢で振る千 葉阿部 ふく
来る清水 惣七窓際へ埋もれた知恵を借りに来る群 馬原田 木念
ランドセル母を見付けて駆けて来る栃 木小林加奈子
散歩越郷 黙朗山頭火としばし心の散歩する福 岡牛島 唯芳
蓮の葉へ雫ひとつがする散歩神奈川五十嵐 修
散歩菅原 一宇散歩から始まる今日のシンフォニー愛 知福島三四郎
木も草も歴史の香る散歩道兵 庫山本ひさゑ
散歩関  水華散歩道見えぬ命につき当たる兵 庫大原 葉香
散歩積む地球に満ちる平和論秋 田吉田 義雄
散歩大野 風柳逆回りして発見のある散歩東 京鈴木きよし
本物の散歩は汗をかいてくる埼 玉白鳥 覚朗
散歩加藤 翠谷職退いた散歩うっかり駅へ向き群 馬小林 茜坊
楢山の道も散歩も急がない石 川中嶋伊之助
散歩西尾  栞農政の杜撰を散歩道で聞く栃 木吉江みのる
楢山の道も散歩も急がない石 川中嶋伊之助
散歩礒野いさむ病床六尺心の地図を散歩する愛 知安藤 了了
味気ないボディガードのつく散歩徳 島田中  明
散歩広瀬 反省空想の続きを思案する散歩埼 玉新井 喜策
失ったぼくを探しにゆく散歩兵 庫高岡 英子
散歩小松原爽介散歩する時はシナリオ風になる兵 庫佐藤寿美子
豆の蔓と約束がある散歩道石 川福岡 竜雄
散歩吉岡 龍城罪ひとつ許すと決めて散歩など山 形高橋 葉月
散歩するしばらく宇宙人になる山 梨小池 楽人