第2回「太平記の里」全国川柳大会

開 催:平成 4年 8月30日(日)

最優秀句「松は緑いくさ話はもう止そう」福島県 山田 寛二

(選句について)
当日参加の一部および郵送投句による二部の全作品の中から優秀句として選ばれたものより、更に両部の選者によって最終的に選ばれたものです。
なお、この句は太田市「文学のさんぽ道」に句碑として建立されました。

大会功労賞「六尺は大和魂あった頃」栃木県 川俣 喜猿

「太平記の里」全国川柳大会を開催するに当たり御尽力を頂いた川俣喜猿氏の功労を讃えて句碑を「文学のさんぽ道」に建立しました。

特撰句

選 者特 撰 句府県名雅 号
若い仲川たけし英雄はまだあどけない金メダル栃 木清水 昭子
大胆な野望で若い地図を描く埼 玉山本 俊一
先祖山田 良行遺伝子の中に先祖が生きている東 京宮内 可静
ご先祖に感謝するやつ恨むやつ栃 木高梨 宗路
話術渡邊 蓮夫話術ではないまごころを見てもらう青 森岡本かくら
団欒の会話に話術など要らぬ栃 木雫 麗三郎
化ける西村 在我黒あげは見事に化けて花遍路群 馬宮崎 正男
ふる里を童画に変えた虹の橋埼 玉川瀬伊津子
堅い川俣 喜猿石段の凹み信者の足の跡群 馬横尾 東川
二世代の同居を分かつ堅い飯群 馬黒崎 和夫
市場山崎 凉史市場の値今日は畑の汗が泣き栃 木佐藤のぶ行
市場籠ひょいと生活を覗かれる埼 玉江森 成柳
誇る竹本瓢太郎何も無い古里にある旨い水東 京齊藤由紀子
ガッツポーズの全身をバネにする神奈川唐沢 春樹
モデル荻原 柳絮観衆の視線は痛くないモデル群 馬藤原きく代
母という生きたモデルの居る強み栃 木吉江みのる
セーター清水 惣七編みかけのセーターひとつ恋終わる埼 玉青鹿 一秋
結ばれる予感セーター編みはじめ埼 玉柿沼 研人
広瀬 反省老松にわが生きざまを問うてみる北海道吉田  操
節くれた松に明治の亡父を視る青 森高瀬 霜石
礒野いさむ松並木江戸がまだある道標東 京蔵多 季渓
御成婚松の翠も待ちわびる山 形横山 白陽
西尾  栞万緑の松に日本の主語を置く秋 田吉田 義雄
羽衣の松にもたれて白昼夢群 馬黒崎 和夫
越郷 黙朗老松に尽せぬいのち見つけたり愛 知越村 枯梢
松は緑いくさ話はもう止そう福 島山田 寛二
菅原 一宇松ぼっくり野仏の手にころげおち群 馬萩原 芳江
廣重の松はななめの雨に耐え静 岡丸岡 泉里
大野 風柳雪吊りの松が観光地で眠い栃 木中田 太士
熱燗がとっても好きな松だった兵 庫三崎 規正
関  水華万緑の松に日本の主語を置く秋 田吉田 義雄
松籟に耳をすませば閧ノ声大 阪東もりのぶ
小松原爽介子を宿す松のみどりの深き中石 川長野 芳枝
多数決で一本松を撃てと言う京 都村上 長鼓
野口 初枝富士を背にほどよきところ三保の松東 京広島 英一
松は緑いくさ話はもう止そう福 島山田 寛二
吉岡 龍城少年よ一本松を見て生きよ石 川寺中よし輔
松は緑いくさ話はもう止そう福 島山田 寛二