第29回「太平記の里」全国川柳大会

場 所:太田市社会教育総合センター
開 催:平成31年 4月 7日(日)

最優秀句「ひと筆の絵の具に春の野が萌える」群馬県 田中 寿々夢

(選句について)
特別課題を除く、第一部及び第二部の三才句、四十五句から、さらに第一部及び第二部の両選者より五句ずつ選出し、最も多数の支持を得た句を最優秀句とする。

特撰句

選 者特 撰 句府県名雅 号
本気田中寿々夢救出の本気度を問う拉致の海茨 城植木 利衛
一点を見つめる眼揺るがない群 馬勢藤  潤
鬼縛る想い辞表を抱いて立ち埼 玉西潟賢一郎
舞う上村  脩昇進の顔花が舞い鶴が舞い埼 玉西潟賢一郎
釈迦の掌へ人間が舞う蝶が舞う埼 玉篠崎 紀子
うれしくて音符になっていく手足青 森北山まみどり
茂る荻原美和子留守宅は蔦がセコムになっている東 京三上 武彦
万緑の森が心の垢を削ぐ栃 木中西 隆雄
ひと筆の絵の具に春の野が萌える群 馬田中寿々夢
西潟賢一郎横風も追い風にする覇者の旗埼 玉國嶋  武
脇役に徹し野心は隅に置く東 京大野 征子
脇道に逸れて人間らしくなる東 京上村  脩
若い中西 隆雄瓦礫から再起青春まっしぐら群 馬黒崎 和夫
特大の画布を食み出す若い夢埼 玉志村 宇一
令和への覚悟眩しい皇太子埼 玉栗原 洋子
國嶋  武築城の美学を飾る絶頂期埼 玉西潟賢一郎
真っ当に生きて竜宮城に住み埼 玉志村 宇一
定年後城主は妻になり平和埼 玉横田 朝子
植木原名 幸雄妻と来て妻と選んだ植木市栃 木大橋 芳明
古希過ぎて庭の枝ぶり丸みおび群 馬大川  博
砂漠化の街に植樹の汗を積む東 京上村  脩
飛ぶてじま晩秋シャンソンに翼が生えるワイン蔵埼 玉西潟賢一郎
竹とんぼあははあははと飛んで行く群 馬池上 雅夫
父超える覚悟少年脱皮する群 馬田中寿々夢
岡崎  守落ち零れさせない母の広い皿栃 木大橋 芳明
食べ残し山盛り飢餓を忘れてる岩 手百姓 一揆
非常ベル盛んに鳴らす地球号栃 木松本トマト
大野 風柳裁かれぬ机上に罪が盛ったまま福 井西川 節子
晴天を信じて生きる車椅子茨 城永倉みちよ
盛り場の真ん中に居て帰りたい新 潟長井 和子
雫石 隆子天災と人災紙面てんこ盛り高 知森本 幸美
盛り土の上の日本が揺れ止まず熊 本村上 和巳
大きくなってねと大盛りのごはん栃 木善林 真琴
久保田半蔵門繁盛の店はお客を並ばせる埼 玉青鹿 一秋
富士山が見えて車内が盛り上がり長 野原  茂樹
金婚日盛装の妻惚れなおす東 京安斉フミ子
森中惠美子大きくなってねと大盛りのごはん栃 木善林 真琴
毒を盛り薬を盛って生き延びる熊 本山本あかね
明日に向け今日も三度の飯を盛る栃 木久保田昭枝
本田 智彦旬の味安い旨いを膳にのせ東 京和瀬田洋子
直向きに母は無償の愛を盛る佐 賀山口 亮英
酒盛りが地域の絆深めます青 森石木田淳一郎
井原みつ子一盛りにされた命よ献花台兵 庫金井 矩子
直向きに母は無償の愛を盛る佐 賀山口 亮英
青春の仕残し盛って老いの春栃 木中西 茂年
平田 朝子夢盛った花道ベビーカーが行く静 岡小林ふくこ
吹く風がみんな味方となる名刺栃 木荻原 鹿声
一盛りにされた命よ献花台兵 庫金井 矩子