第22回「太平記の里」全国川柳大会

場 所:太田市福祉会館
開 催:平成24年11月25日(日)

最優秀句「背を向けた子にも空けてる母の耳」埼玉県 岡部 美雄

(選句について)
全国十六人の選者により決定いたしました。「東松山新柳会」「埼玉川柳社」会員の岡部美雄さんの作品です。
なおこの句は太田市の「さくらロード」に句碑として建立されます。

特撰句

選 者特 撰 句府県名雅 号
こそこそ田中寿々夢逆鱗の死角泳いで生き延びる東 京上村  脩
こっそりと打つ奥の手へ蜜を盛る神奈川荻原美和子
中傷の風はひそかに吹いてくる埼 玉木崎 栄昇
相談篠崎 紀子背を向けた子にも空けてる母の耳埼 玉岡部 美雄
古里の山と行く末語り合う群 馬中島 通夫
延命の処置は家族で決めておく栃 木中西 隆雄
荻原 柳絮無人駅誰か替えてる瓶の花栃 木塚本 勘平
努力する汗は誰にも認められ群 馬広田 悦子
雪の朝もう掻いてある通学路群 馬黒崎 和夫
西潟賢一郎悪銭も時に掴んできた両手栃 木中西 隆雄
百科積み学んで母の手は辞典栃 木篠田 東星
祈り数多千手観音との握手群 馬遠藤しげる
川俣 秀夫嫌われているとは感じない上司栃 木塚本 勘平
目くばせも手真似もついに気がつかず栃 木刑部 鬼子
愚鈍だと言われ闘志が煮え滾る埼 玉國嶋  武
理想てじま晩秋試歩の道理想積みコント終わらぬ東 京布施 ちえ
百花繚乱真ん中に俺の椅子埼 玉岡部 美雄
運賭ける理想の嵌め絵見当たらぬ東 京大野 征子
豊か竹本瓢太郎豊かさにどっぷり浸る肥満体埼 玉亀井  哲
手付かずの自然に夢を書き換える神奈川荻原美和子
一服のお茶が豊かな午後にする群 馬関口カツ子
浮く東 西南北お祭りの浮かれ太鼓を鬼が切る群 馬中村 節子
浮草を笑う資格がありますか群 馬後藤 博子
大海に男のロマン帆を揚げる群 馬関根三枝子
岡崎  守人間のエゴに戸惑う花の種熊 本安永 理石
瓦礫にも花の咲く日がきっと来る福 島荒 雄二郎
核棄ててサクラを植えて見ませんか熊 本緒方 正堂
本田 智彦蓮の花仏を宿すように咲く栃 木篠原あきら
家族から頼られている今が花埼 玉神山 元子
百態の花に人間癒される茨 城軍司百合江
平山 繁夫いい風と出合い優しい花になる埼 玉宮本彩太郎
遠花火母の背中を拭いている栃 木大橋 芳明
ぼろぼろの絵本の中で開花する宮 城藤本真喜子
平田 朝子大輪の菊は正坐で身構える兵 庫菅野 泰行
顔上げて生きよと花に諭される香 川田岡  弘
花のことなら蜜蜂に聞いてくれ埼 玉佐藤美枝子
礒野いさむ万歩計明日も来ますと花に言う高 知常石 麗子
花の名に背かぬように娘は育ち宮 崎中武 重晴
ワンマンが自作の花道で転ぶ徳 島能田 文夫
大野 風柳鬼だって花を愛しているだろう群 馬中村 節子
坪庭の椿も掟抱いている兵 庫石田 明子
染められてみたくて白いままで咲く和歌山藤原ほのか
津田  暹コスモスが休耕田を慰める青 森岡本かくら
被災地の絆深める花の歌神奈川長谷川誠一
なでしこが国花のように愛される栃 木松本とまと
河内 天笑コスモスが休耕田を慰める青 森岡本かくら
献体と決めて静かに花活ける宮 城藤本真喜子
いい風と出合い優しい花になる埼 玉宮本彩太郎