場 所:太田市福祉会館
開 催:平成24年11月25日(日)
最優秀句「背を向けた子にも空けてる母の耳」埼玉県 岡部 美雄
(選句について)
全国十六人の選者により決定いたしました。「東松山新柳会」「埼玉川柳社」会員の岡部美雄さんの作品です。
なおこの句は太田市の「さくらロード」に句碑として建立されます。
特撰句
題 | 選 者 | 特 撰 句 | 府県名 | 雅 号 |
---|---|---|---|---|
こそこそ | 田中寿々夢 | 逆鱗の死角泳いで生き延びる | 東 京 | 上村 脩 |
こっそりと打つ奥の手へ蜜を盛る | 神奈川 | 荻原美和子 | ||
中傷の風はひそかに吹いてくる | 埼 玉 | 木崎 栄昇 | ||
相談 | 篠崎 紀子 | 背を向けた子にも空けてる母の耳 | 埼 玉 | 岡部 美雄 |
古里の山と行く末語り合う | 群 馬 | 中島 通夫 | ||
延命の処置は家族で決めておく | 栃 木 | 中西 隆雄 | ||
誰 | 荻原 柳絮 | 無人駅誰か替えてる瓶の花 | 栃 木 | 塚本 勘平 |
努力する汗は誰にも認められ | 群 馬 | 広田 悦子 | ||
雪の朝もう掻いてある通学路 | 群 馬 | 黒崎 和夫 | ||
手 | 西潟賢一郎 | 悪銭も時に掴んできた両手 | 栃 木 | 中西 隆雄 |
百科積み学んで母の手は辞典 | 栃 木 | 篠田 東星 | ||
祈り数多千手観音との握手 | 群 馬 | 遠藤しげる | ||
鈍 | 川俣 秀夫 | 嫌われているとは感じない上司 | 栃 木 | 塚本 勘平 |
目くばせも手真似もついに気がつかず | 栃 木 | 刑部 鬼子 | ||
愚鈍だと言われ闘志が煮え滾る | 埼 玉 | 國嶋 武 | ||
理想 | てじま晩秋 | 試歩の道理想積みコント終わらぬ | 東 京 | 布施 ちえ |
百花繚乱真ん中に俺の椅子 | 埼 玉 | 岡部 美雄 | ||
運賭ける理想の嵌め絵見当たらぬ | 東 京 | 大野 征子 | ||
豊か | 竹本瓢太郎 | 豊かさにどっぷり浸る肥満体 | 埼 玉 | 亀井 哲 |
手付かずの自然に夢を書き換える | 神奈川 | 荻原美和子 | ||
一服のお茶が豊かな午後にする | 群 馬 | 関口カツ子 | ||
浮く | 東 西南北 | お祭りの浮かれ太鼓を鬼が切る | 群 馬 | 中村 節子 |
浮草を笑う資格がありますか | 群 馬 | 後藤 博子 | ||
大海に男のロマン帆を揚げる | 群 馬 | 関根三枝子 | ||
花 | 岡崎 守 | 人間のエゴに戸惑う花の種 | 熊 本 | 安永 理石 |
瓦礫にも花の咲く日がきっと来る | 福 島 | 荒 雄二郎 | ||
核棄ててサクラを植えて見ませんか | 熊 本 | 緒方 正堂 | ||
花 | 本田 智彦 | 蓮の花仏を宿すように咲く | 栃 木 | 篠原あきら |
家族から頼られている今が花 | 埼 玉 | 神山 元子 | ||
百態の花に人間癒される | 茨 城 | 軍司百合江 | ||
花 | 平山 繁夫 | いい風と出合い優しい花になる | 埼 玉 | 宮本彩太郎 |
遠花火母の背中を拭いている | 栃 木 | 大橋 芳明 | ||
ぼろぼろの絵本の中で開花する | 宮 城 | 藤本真喜子 | ||
花 | 平田 朝子 | 大輪の菊は正坐で身構える | 兵 庫 | 菅野 泰行 |
顔上げて生きよと花に諭される | 香 川 | 田岡 弘 | ||
花のことなら蜜蜂に聞いてくれ | 埼 玉 | 佐藤美枝子 | ||
花 | 礒野いさむ | 万歩計明日も来ますと花に言う | 高 知 | 常石 麗子 |
花の名に背かぬように娘は育ち | 宮 崎 | 中武 重晴 | ||
ワンマンが自作の花道で転ぶ | 徳 島 | 能田 文夫 | ||
花 | 大野 風柳 | 鬼だって花を愛しているだろう | 群 馬 | 中村 節子 |
坪庭の椿も掟抱いている | 兵 庫 | 石田 明子 | ||
染められてみたくて白いままで咲く | 和歌山 | 藤原ほのか | ||
花 | 津田 暹 | コスモスが休耕田を慰める | 青 森 | 岡本かくら |
被災地の絆深める花の歌 | 神奈川 | 長谷川誠一 | ||
なでしこが国花のように愛される | 栃 木 | 松本とまと | ||
花 | 河内 天笑 | コスモスが休耕田を慰める | 青 森 | 岡本かくら |
献体と決めて静かに花活ける | 宮 城 | 藤本真喜子 | ||
いい風と出合い優しい花になる | 埼 玉 | 宮本彩太郎 |