第20回「太平記の里」全国川柳大会

場 所:太田市福祉会館
開 催:平成22年11月21日(日)

最優秀句「忘れ物取りに来たよな里帰り」群馬県 池上 雅夫

(選句について)
全国十九人の選者により決定いたしました。「太田市柳友会」会員の池上雅夫さんの作品です。
なおこの句は太田市の「さくらロード」に句碑として建立されます。

特撰句

選 者特 撰 句府県名雅 号
遠藤しげる微動だにせぬ親父との太い線東 京仲沢 ちね
右顧左べんなんか出来ない大太鼓青 森岡本かくら
苦労して人を許せる幅が出来東 京大野 征子
篠崎 紀子平穏な日々に薄れる危機意識栃 木中西 隆雄
円グラフ私の総べて平均値埼 玉木口 孝子
平仮名の暮らしに愛が満ち溢れ埼 玉岡部 美雄
荻原 柳絮皇室を祝い記帳の列につき群 馬島田  駿
暖まる記事に目が寄る年の暮れ栃 木毛塚 善市
走るのを止めて自分史書き初め栃 木太田 歩久
西潟賢一郎ふる里の風饒舌が心地良い東 京仲沢 ちね
ふる里は墓地だけとなる雪が降る埼 玉川田ようじ
忘れ物取りに来たよな里帰り群 馬池上 雅夫
二十田中寿々夢成人の自覚で並ぶ献血車埼 玉青鹿 一秋
挫折まだ知らぬ二十のハングリー栃 木中西 隆雄
就活の靴に二十の冬がある東 京齊藤由紀子
川俣 秀夫周りから絡め頑固を料理する新 潟相田 柳峰
コンパクト周囲の視線など知らず栃 木朝海 正雄
禅譲へ積む周到なウソホント東 京上村  脩
てじま晩秋欺かれ歩調合わせて年手帳東 京仲沢 ちね
設計図去年も同じ夢でした東 京大野 征子
年俸がキリンの首を駈け登る群 馬広田 悦子
竹本瓢太郎蛇行する川から生きざまを学ぶ埼 玉木崎 栄昇
石投げてみても応えぬ冬の川東 京大野 征子
東 西南北仕分けする柳の下で泥鰌痩せ群 馬黒崎 和夫
来世も独り歩きかかれ柳栃 木大橋はじめ
ゆうれいの木だねと孫も木のしぐさ群 馬星田田鶴子
岡崎  守青い夢抱いて少年突っ走る長 崎前田 敏子
親と子の夢のリレーにある宇宙千 葉笹島 一江
人間の夢で地球が病んでゆく茨 城野口 明子
津田  暹カマキリは妻です3Dの夢山 梨小林信二郎
夢というカンフル剤で立ちあがる石 川表  洋子
昭和史が生んだ二十歳のままの夢福 島山田 寛二
礒野いさむ今一度夢が欲しくて履いた靴徳 島尾形マツ子
昭和史に夢を奪ったきのこ雲宮 城太田 良喜
後期高齢夢の欠片を抱いて寝る埼 玉佐藤美枝子
大野 風柳夢までは遠いですなあおひとりで滋 賀小梶 忠雄
けん玉の名手地球を乗せる夢三 重栗田  壽
坂の途中で書き足したのは夢か岐 阜小林 映汎
本田 智彦少年の夢は一途で美しい東 京仲沢 ちね
今一度夢が欲しくて履いた靴徳 島尾形マツ子
夢ばかり追って迷路の中にいる神奈川馬目さだお
平山 繁夫夢を追う少年がこぐ一輪車島 根岸 まつえ
新しい風を捕えた夢の端広 島竹明なおみ
坂の途中で書き足したのは夢か岐 阜小林 映汎
平田 朝子夢と消えた恋ふところに老いてゆく宮 崎黒木せつよ
小箱から夢を小出しにして平和群 馬荻原 亜杏
吹けば飛ぶ夢が手を取り足を取り宮 城伊藤 我流
河内 天笑夢というカンフル剤で立ちあがる石 川表  洋子
明け方の乳房ポロンと落ちた夢宮 城齋藤 光子
老いの夢なんと身近な事ばかり福 岡松田 義登