開 催:平成 3年 月 日( )
最優秀句「義に生きる義に散るロマン太平記」埼玉県 落合広太郎
(選句について)
当日参加の一部・郵送投句による二部、一部・二部から優秀句として選ばれた作品を更に、両部の選者によって最終的に選ばれたものです。
なお、この句は太田市「文学のさんぽ道」に句碑として建てられています。
特撰句
題 | 選 者 | 特 撰 句 | 府県名 | 雅 号 |
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太 | 山田 良行 | 筆太に有無を言わせぬ果たし状 | 群 馬 | 宮崎多喜子 |
太棹が響く火が舞う雪が舞う | 神奈川 | 五十嵐 修 | ||
平 | 渡邊 蓮夫 | 父の座がまだ正面にあり平和 | 千 葉 | 江口 信子 |
万国旗だけは平和に手をつなぎ | 千 葉 | 豊田 豊仙 | ||
記 | 西村 在我 | 美しく濾過されていた古日記 | 埼 玉 | 市川つとむ |
子の記憶母は寝ていたことがない | 埼 玉 | 都築はじめ | ||
野 | 川俣 喜猿 | 野に在って菜種の莢は天を突き | 群 馬 | 桜井 長幸 |
人事部のミス狼を野に放ち | 埼 玉 | 戸丸 瓦郎 | ||
里 | 山崎 凉史 | 次男坊錦を飾る里にする | 栃 木 | 笹沼 登美 |
古里の風を身体が嗅ぎ分ける | 埼 玉 | 丸山 不染 | ||
呑 | 竹本瓢太郎 | ほれここに極楽がある独り酒 | 埼 玉 | 落合広太郎 |
盃に映る明日の虹に酔う | 埼 玉 | 高橋 次男 | ||
龍 | 荻原 柳絮 | 昇り龍何をやっても図に当り | 栃 木 | 川俣 秀夫 |
呑龍の里に育って子供好き | 埼 玉 | 青鹿 一秋 | ||
スバル | 清水 惣七 | 岐路に立つ男昴へ眉を上げ | 埼 玉 | 村松 育子 |
一生をスバルにかけた父の顔 | 栃 木 | 高橋 正子 | ||
義 | 広瀬 反省 | 着せぬから尚更つらく着る恩義 | 栃 木 | 福田一二三 |
義の道を七里ヶ浜の貝に聞く | 福 岡 | 桜井 昭枝 | ||
義 | 礒野いさむ | 義理果たし白い足袋干す古希の母 | 兵 庫 | 中里 遊峰 |
ペン胼胝が疼いてやまぬ正義感 | 京 都 | 村上 長鼓 | ||
義 | 西尾 栞 | 義によってひたすら北を指す夜汽車 | 埼 玉 | 松村 育子 |
義理堅い男に当たる流れ弾 | 東 京 | 谷内 肇 | ||
義 | 越郷 黙朗 | 八・一五義足も歳を取りました | 北海道 | 佐藤甘太郎 |
沸点のあたりで揺れる正義感 | 青 森 | 高瀬 霜石 | ||
義 | 菅原 一宇 | 義理欠いた日から酸素がうすくなる | 山 口 | 安平次弘道 |
義眼にも涙あふれる原爆忌 | 群 馬 | 宮崎 正男 | ||
義 | 大野 風柳 | 教科書の埃かぶっている正義 | 栃 木 | 篠原あきら |
義の声に背を向け飯をたべている | 兵 庫 | 池田 南岳 | ||
義 | 関 水華 | 義に生きる義に散るロマン太平記 | 埼 玉 | 落合広太郎 |
大義から黒い地球がころげてる | 神奈川 | 山上 元孝 | ||
義 | 小松原爽介 | 教科書の埃かぶっている正義 | 栃 木 | 篠原あきら |
義によって他人のオムツ替えてます | 富 山 | 清水みき子 | ||
義 | 野口 初枝 | 忘却の戦野へ義足まだ疼き | 静 岡 | 岸林 南天 |
看取る日の温い心は義務を越え | 愛 知 | 枚田 弘枝 | ||
義 | 吉岡 龍城 | 垣間見た義憤遠吠えするばかり | 岐 阜 | 加藤 美保 |
同居して義父と呼ばれる顔づくり | 千 葉 | 岡田 英通 |