第18回「太平記の里」全国川柳大会

場 所:太田市福祉会館
開 催:平成20年11月16日(日)

最優秀句「改めて我が町を知る定年後」栃木県 三上 博史

(選句について)
当日参加の一部及び郵送投句による二部の全作品の中から特撰句として選ばれたものより、更に両部の選者によって最終的に選ばれたものです。
なおこの句は太田市の「さくらロード」に句碑として建立されます。

特撰句

選 者特 撰 句府県名雅 号
祝い今川 乱魚兄弟と談合をした熨斗袋群 馬桐生 静子
物入りになるお祝いは伏せておく埼 玉斎藤 弘美
ご祝儀を貯めて新車の足しにする群 馬木暮 幸夫
木崎 栄昇煩悩を北の根雪に閉じ込める東 京上村  脩
地吹雪が北の眠りを深くする栃 木中西 隆雄
北帰行恋の微罪を携える群 馬広田 悦子
関わる荻原 柳絮減らず口叩き一生損をする群 馬小野 桂仙
気になって付かず離れずついて来る群 馬清水  流
改めて我が町を知る定年後栃 木三上 博史
西潟賢一郎車産む街に坂東武者の影埼 玉岡部 美雄
手を合わす誇り東都に城がある埼 玉篠﨑 紀子
東奔西走勝利者刻が無い栃 木篠田 東星
田中寿々夢海溝の深さに愛が横たわる埼 玉若月  葉
横文字が増えてガラスの街になる東 京上村  脩
傍らに父の威厳が干してある埼 玉相良 博鳳
断わる川俣 秀夫元の鞘女の意地が振らぬ首栃 木朝海 正雄
酒癖へレッドカードを出す店主栃 木宮内 珊瑚
絶対と言うから止めておく話埼 玉四分一周平
てじま晩秋修羅の海越えた夫婦は凪なのだ埼 玉篠﨑 紀子
寄り道が好き雑学を太らせる東 京齊藤由紀子
覇者の道ゆっくり牛の立志伝埼 玉岡部 美雄
開く竹本瓢太郎重い口開き反抗期も終わる群 馬原田 木念
私小説開けば傷が未だ疼く埼 玉木口 孝子
目の鱗剥がれ千里の視野開け埼 玉宮本彩太郎
しっかり遠藤しげる善人で美人で男まさりです埼 玉相良 博鳳
軸足と父権はぶれぬ蟻の自負東 京小金沢綏子
一枚は男に見せぬ舌を持つ東 京仲沢 ちね
執着岡崎  守今はもう叙勲を待っている尻尾兵 庫北野 哲男
窓際で夕陽の椅子にかじりつく埼 玉宮本彩太郎
限界の集落ひとり畑を打つ茨 城片野 晃一
執着大野 風柳執念よまだまだ投げる石がある岡 山福力 明良
白い物しろく洗って生きている福 島中野 敦子
どじょっことふなっこポッケから逃げず宮 城伊藤 我流
執着西來 みわ執念よまだまだ投げる石がある岡 山福力 明良
里に灯を点すと繭が糸を吐く埼 玉斉藤 余生
オーロラを見に行く小銭貯めている埼 玉吉岡 繁治
執着河内 天笑染みついたわたくし流を曲げぬ自負愛 知浅野 滋子
もう少しこの世に恋をするつもり栃 木野口 直子
悲しみの中もユーモア探す質埼 玉鈴木セツ子
執着礒野いさむのめり込む趣味執着の金しばり長 野滝沢しま子
執着をさらりと捨ててケセラセラ大 分野田 清博
父祖の田を捨てる気は無し鍬と鎌福 島横村 華乱
執着本田 智彦諦めきれない座りの悪い石広 島竹明なおみ
生きることへの執着の偉大なり石 川田近 茫人
執着にいま陽が当るノーベル賞埼 玉岡部 暖窓
執着小松原爽介限界の集落ひとり畑を打つ茨 城片野 晃一
おさらばの日まで蔵書を手離せぬ愛 知浅野 滋子
笑うしかないところまで行ってみる滋 賀小梶 忠雄
金の成る木を育ててる人嫌い群 馬伊藤 ちよ
執着吉岡 龍城流転かなまだときめきの靴が鳴る熊 本中川めぐむ
胸の奥いい思い出のラブソング栃 木加藤 愛子