第17回「太平記の里」全国川柳大会

場 所:太田市福祉会館
開 催:平成19年11月18日(日)

最優秀句「喧騒の街に造語がよく弾む」栃木県 中西 隆雄

(選句について)
当日参加の一部及び郵送投句による二部の中から特撰句として選ばれたものより、更に両部の選者によって最終的に選ばれたものです。
なおこの句は太田市の「さくらロード」に句碑として建立されます。

特撰句

選 者特 撰 句府県名雅 号
今川 乱魚ジョーク応酬脳味噌が点火する東 京齊藤由紀子
負け犬を待ってくれた茶の間の灯栃 木篠田 東星
キャンドルに誓った愛はメディア用東 京井上 文子
川俣 秀夫独楽ねずみ行進曲に乗せられる埼 玉木崎 栄昇
拍手かと思えば屋根の雨の歌栃 木野口 直子
ふるさとの山河校歌のままの四季埼 玉宮本彩太郎
荻原 柳絮ひたすらに田圃を守り嫁がない栃 木中西 隆雄
農知らぬから美しい千枚田埼 玉木崎 栄昇
減反に田んぼが暇を持て余す群 馬今村 寿子
成田 孤舟究極の愛を問われる尊厳死埼 玉宮本彩太郎
溺愛の卵が巣箱から零れ埼 玉木崎 栄昇
ピノキオの鼻人に飢え愛に飢え埼 玉相良 博鳳
田中寿々夢まゆ玉の中で男が鎧脱ぐ埼 玉相良 敬泉
逝った子へ祈りが深い母の数珠埼 玉木崎 栄昇
樹海から抜けて外れたラムネ玉埼 玉岡部 美雄
深町 金鳥終焉を探しに神の背をのぼる東 京西潟賢一郎
人形の目が開きそこに神がいた埼 玉相良 敬泉
アバウトに運命線を神が描く埼 玉岡部 美雄
竹本瓢太郎旧姓で呼ばれ一気に若返る群 馬関口カツ子
天の声路傍の石に近づけず埼 玉加賀谷日和
喧騒の街に造語がよく弾む栃 木中西 隆雄
てじま晩秋蔦紅葉また人間が枯れてゆく東 京西潟賢一郎
天才の絵筆が秋を壊し出す埼 玉相良 博鳳
高等部から秋冷が忍び寄る群 馬川津 清人
斎藤 大雄お馴染みの顔が集まる喫煙所埼 玉青鹿 一秋
線香の煙女の髪が好き栃 木手塚 貴子
九条を燻製にする多数決山 梨小林信二郎
大野 風柳松茸を焼いた煙でございます大 阪三好 聖水
線香の煙が外へ出たがらぬ和歌山三宅 保州
格差など気にせぬ線香のけむり新 潟野島 正夫
西來 みわ紫煙の輪いのちを語る原爆忌茨 城船橋  豊
権力の椅子に煙が群れて立つ宮 城太田 良喜
まっとうな暮らし煙も正座する栃 木柳岡 睦子
河内 天笑家計簿に煙を吐いた跡がある鳥 取下田 幸子
秋刀魚焼くただそれだけの庭欲しい福 岡古野つとむ
煙草吸う主人と離れテレビ見る群 馬湯浅サチ子
礒野いさむ噴煙を吐き出し火山深呼吸埼 玉宮本彩太郎
百害を説かれ行き場のない紫煙栃 木三上 博史
色を読む窯のけぶりの濃く淡く大 分野田ヤスエ
本田 智彦生き易い方に流れていく煙福 島佐久間 蘭
禁煙の口が淋しい昼さがり静 岡平野ふじ子
余命表ときどき狼煙あげて生き北海道小林 楼甘
小松原爽介夢のある街だ煙突生きている新 潟大塚 一由
愛憎のすべて一縷の煙となり福 岡江藤 一市
煙たつころは逃げてる仕掛人熊 本宮本美致代
吉岡 龍城足るを知る暮らし秋刀魚の旬を焼く群 馬飯塚 蛙笑
原発の煙突が吐く透明度栃 木朝海 正雄
煙噴く山がわたしの親父です長 野桜井 閑山