場 所:太田市福祉会館
開 催:平成14年12月 1日(日)
最優秀句「決断に火の粉を払う妻がいる」青森県 岡本かくら
(選句について)
特別課題を除く、第一部及び第二部の三才句、四十五句から、さらに第一部及び第二部の両選者より五句づつ選出し、最も多数の支持を得た句を最優秀句とする。
大会功労賞「足跡のひとつひとつに恩がある」熊本県 吉岡 龍城
「太平記の里」全国川柳大会を開催するに当たりご尽力を戴いた吉岡龍城氏の功労を讃えて太田市丸山町の「さくらロード」に句碑を建立しました。
特撰句
題 | 選 者 | 特 撰 句 | 府県名 | 雅 号 |
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掟 | 今川 乱魚 | ささやかな家訓おはようありがとう | 千 葉 | 田制 圀彦 |
生きて行く掟貴女が優しすぎ | 栃 木 | 柳 慶子 | ||
青い | 川俣 喜猿 | 青海原で一度は泳ぎたい金魚 | 福 島 | 渡邊 利子 |
核のある国にも青い空がある | 栃 木 | 柳 慶子 | ||
重荷 | 竹本瓢太郎 | 激励が肩にくい込む期待感 | 東 京 | 内田 昌波 |
男だと言われ背骨が崩せない | 東 京 | 齊藤由紀子 | ||
宣告 | 荻原 柳絮 | 判決の主文が後になる恐怖 | 群 馬 | 原田 木念 |
宣告をされて病が脈を打ち | 東 京 | 内田 昌波 | ||
分け合う | 成田 孤舟 | 家裁から起承転結分けてくる | 埼 玉 | 深町 金鳥 |
幸せが自分に戻るボランティア | 埼 玉 | 木崎 栄昇 | ||
しなやか | 田中寿々夢 | 古都郷愁万葉がなの雨を抱く | 埼 玉 | 深町 金鳥 |
しなやかな指で男の骨を抜く | 福 島 | 渡邉 滿洲 | ||
決断 | 太田紀伊子 | 決断に火の粉を払う妻がいる | 青 森 | 岡本かくら |
心まで売らぬ仏の顔でいる | 東 京 | 内田 昌波 | ||
誘惑 | てじま晩秋 | さいころの中の獣に拉致される | 埼 玉 | 亀井 哲 |
カリスマの戯画を鍵穴から覗く | 埼 玉 | 岡部 美雄 | ||
持ち味 | 羽田 桐柳 | 坪庭が魅せる心の小宇宙 | 埼 玉 | 吉岡 繁治 |
持ち味が母の十指に刻んでる | 福 島 | 渡邉 滿洲 | ||
働く | 斎藤 大雄 | ぎこちない笑顔を見せる二度の職 | 東 京 | 馬場 美昭 |
働いた軍手垣根に干してある | 群 馬 | 羽切八千代 | ||
働く | 関 水華 | 耕して人間になる土になる | 埼 玉 | 岡部 暖窓 |
太陽が働き者にしてくれる | 栃 木 | 朝海 正雄 | ||
働く | 大野 風柳 | 女にて候花名刺を持って | 岡 山 | 福力 明良 |
過労死にいっさい触れてない弔辞 | 和歌山 | 三宅 保州 | ||
働く | 西來 みわ | 弁当をもっと詰めろと父の鍬 | 愛 媛 | 渡辺 泉 |
新築が共働きの顔で建ち | 鳥 取 | 西原 艶子 | ||
働く | 橘高 薫風 | 木を植える村一番の働き手 | 岡 山 | 神原日出夫 |
働いた形に果てる父の貨車 | 埼 玉 | 小林和喜子 | ||
働く | 礒野いさむ | 働いた汗で新車の乗り心地 | 栃 木 | 高橋 稲子 |
働いて働きぬいて金婚譜 | 愛 媛 | 河端美佐恵 | ||
働く | 山本 翠公 | 一本ずつ洗い大根出荷する | 大 阪 | 石堂 潤子 |
働いた骨の白さが目にしみる | 福 岡 | 古谷 清 | ||
働く | 小松原爽介 | 働いた人にテープを切らせたい | 和歌山 | 青枝 鉄治 |
割烹着女の性が埋めてある | 茨 城 | 岡見 阿衣 | ||
働く | 吉岡 龍城 | 必要とされて働きすぎている | 和歌山 | 森口 美羽 |
ナース詰所にいくさ終わらぬ二十五時 | 福 島 | 熊坂よし江 |