日本川柳秀句・推薦句集 平成三年版

目 次

1.序文 山田良行
2.北海道・東北
3.関東
4.中部
5.近畿
6.中国
7.四国
8.九州
9.あとがき 西尾栞

日本川柳秀句・推薦句集 平成三年版
日本川柳協会・編
平成 3年12月 1日発行
A5判 205頁
印刷所 綾田印刷株式会社
定価 3,000円

序文

日本川柳協会がスタートした昭和五十年には、川柳は市民権を持っていなかったと言ってもよい状態でした。川柳の杜会的地位を高めるのは、日川協の大きな使命だと皆さんが考えていたと思います。その方法の一つとして、これが川柳だという秀句を社会に示す必要があると考えて『日本川柳秀句集』が刊行され、しかるべき方々に見ていただきました。僅か一〇〇句ぐらいのものですから、目を通されるのも容易で、企画は成功したと思います。「川柳はいいものですね」という川柳に縁のなかった有識者の皆さんからのお言葉を嬉しく聞かせていただきました。

続けて刊行する予定でいましたが、川柳の浮上によって日川協も忙しくなり、作句される皆さんも、いろいろの催しなどに追われて、心ならずも中断していました。しかし、現代の秀句はこれですという姿勢はとり続けなければなりません。

現代の川柳では、こういう作品が「秀句」と考えられますという作品を選定するのは、簡単なようでも大変むつかしいものです。日本川柳協会が「秀句」と決めるのは僭越だというご意見もありました。確かにそのとおりかもしれませんが、こういう作業を広い範囲にわたって公正に行うとすれば、日川協をおいて外にはないと信じて、「日本川柳秀句・推薦句集」をお目にかけます。熱心な柳人、一、一二〇名の力作のご応募の中から推薦句は二、八○○句、秀句は僅かに一〇〇句を選びました。選者の選句眼は確かです。自信を持ってお目にかけられる幸せを日本川柳協会出版委員会の皆さんと共に味わっています。西尾栞委員長を始めとする委員各位のご尽力に感謝の外ありません。

日本川柳協会 理事長 山田良行