二十世紀の検証 仲川幸男と友人達 ~川柳を連れて

目 次

発刊に寄せて
 -松山復興とともに五十余年  平 松 泰 三

第一部 私の二十世紀
 戦争の世紀との訣別【戦争篇】
 心に残る人たちのこと【政治篇】
 「真・情・美」を求めて【川柳篇】
 教育維新の時代【教育篇】

第二部 友人たちの二十世紀

第三部 たけしの二十世紀

たけし川柳作品集

二十世紀の検証仲川幸男と友人達~川柳を連れて
清水厚実・編
平成13年11月30日発行
B6判 266頁
印刷所 愛媛新聞社
1,800円(本体1,714円+税)

自 序

私は先日、八十五回目の誕生日を静かに迎えたばかりである。この問、さまざまな人たちと出会い、いろんなことを教えられ、そしていっぱい経験した。最近、それらのことが時折、鮮明に記憶の淵からよみがえる。家族のこと、仕事のこと、議員生活のこと、社会活動のこと、そして川柳のこと……。

特に、新たな世紀を迎えて、時のうつろいというものを、しみじみと感じるようになった。わが人生、転機もいろいろあった。逆境に苦しんだことも数え切れないほどである。しかし、いかなる時も、ユーモアと詩心を忘れまいと、懸命に誠実に生きてきたと思う。

だが、戦争が、私の大きな部分を占める。生かされて在ることの意味を噛みしめている。平和のありがたさをつくづく思う。だから、後に続く人たちに、私なりに伝えたいものがいっぱいある。そして、書き残して置きたい気持ちに駆られる。川柳作品集は、これまで何本か版行した。だが、今回は少し違う。言うなれば、これは、私のちょっとした“人生メッセージ”のようなものだ。

「生かされてきた己が人生を、少しまとめておきたい」と、ある時、友人の一人に話した。すると、続々と原稿が寄せられてきた。

「あんたは、国会議員活動ばかりか、いろんな分野に首を突っ込んできたのだから、各方面から『ごくろうさま』の声が届いたよ」と、“世話役”になった友人が言う。

実におもはゆい。同時に、ありがたいと思った。ならば、白分の川柳作品も少し入れよう。許されるなら、議員生活や教育の話も加えよう。そして、「川柳ほろにが人生」とでも酒落てみようかと考えた。

先日、ニューヨークの大惨事をテレビで見た。米国の中枢を狙った同時多発テロ。犠牲者や家族のことを思うと胸が痛む。そしてすぐ、原爆のことを思った。だから、戦争のことから書き始める。風化しつつある話から始めたい。沖縄で“最期”を遂げた松山歩兵第二十二連隊のあったこと、若くして散っていった若者たちがいたことを、忘れないように。

平成十三年十月

仲川幸男