目 次
1.名鑑で川柳人の絆を結ぶ
2.私の一句
3.名鑑参加人員
4.全日本柳人写真名鑑
5.名鑑索引
6.加盟柳社名簿
7.あとがき
名鑑で川柳人の絆を結ぶ
このたび写真名鑑を発刊するにあたり、全国川柳人の皆様のご協力と編集部の努力によって全日本川柳界を網羅した名鑑を作製することが出来ました。関係者の御努力に感謝申し上げます。
平成五年に二千六百名の川柳人を掲載いたしました。以後五年近い月日の中で、これ程利用されたものはありません。本部はこれによってあらゆる行事の計画で、また人選の必要なときなど、氏名と顔との一致を見ることが出来ました。また、各所各大会でお会いいたしましてもお互いがなかなか氏名まで記憶が出来ません。名鑑は川柳界の秘宝のようなものでした。
ところが、多くの友人が一年々々名鑑から消えていきます。また、ご住所や電話の変更もあったり、特に新しい活躍を始めた人も、掲載されていなかったりいたしまして不都合も起こり、早目にと思い出版委員会に協議を願ってこのたび発刊することに致しました。加えて写真と並べて長く残しておきたい良い川柳を併記し、将来に意義あらしめることに致しました。
川柳はご承知のように心の文芸として愛の短詩として社会各層からも認められ、二百五十年の歴史の中で最も盛んな時代となってきています。各マスメディアの中に短歌・俳句に次ぐ文芸と十分認められ、新しい川柳時代を築いております。伝統文化が異なってなかなか入り口が出来なかった沖縄にも、川柳会が複数出来るようになり、また、沖縄の県紙とも言える『琉球新報』が週問川柳欄を設け、県民に呼びかけるまでになりました。なお、台湾・ブラジル・アメリカなどの邦人からも、あらゆる機会を通じて投句交流があり、年毎に川柳の伸長のニュースを積み上げております。各方面でご努力を項いております皆様に感謝申し上げます。
さて、このたびの名鑑にも示されるように、川柳人の老齢化がみられまして、全国各川柳会同様でありますが、川柳年齢は他の文芸と同じように悩みの中にあります。そこでジュニア川柳への幾つかの試みも起こし続け、その成果もいま出始めております。世は今インターネットと言われる時代であり、若者と直結させるために最もよいと思い、幾つかの川柳会も試行致しておりますし、また、日川協本部としましても、それに答えるべく、ジュニア育成の目的と合わせて実施するよう準備中であります。
いよいよ平成十年、切り目の年ともなり、また、二十一世紀へのもくろみも加えて前進の諸計画を建てる準備を致しております。この写真名鑑が各川柳会の中での十分な活用と、また全国の川柳人交互の交歓する基となって、より広き友人を知り、その中でよき川柳が生まれますことをお祈りしまして序文と致します。